サイト作成にあたって



 2013年4月に松戸市内の石造物を調査しようと試み、2014年9月松戸市文化ホールが調査された「松戸市内石造文化財所在調査概報」(以下、「概報」という)があることを知ったが既に販売されておらず、同年9月から松戸市立博物館で「概報」の神社編、寺院編、路傍編の書き写しに取り組みながら各所の調査を始めました。「概報」は非常に見やすい状態で記載されており、これを元に調査するには便利でしたが、調査されていない石造物が多く、記載内容が間違っていたり、1985年以来調査がされていないことより既に行方不明となった石造物もあり、調査の必要性を感じました。

 「概報」には調査途中であることが記されていながら、その後、松戸市立博物館では調査される計画もないこと、松戸市役所に問い合わせてみても調査をしている方も調査予定もないということがわかり、数人で調査をしてしまうと、どうしても調査不足や調査ミスが多く生じてしまっていることからも、一人で1基1基自分の目で確認をし、記憶に残しながら調査することとしました。

 2016年7月には8割の調査が終わり、エクセルデータ化まで進み、カラーでの書籍化計画を立てデータ再整理に取り組み始めました。
 しかしながら、2016年7月に急に私の親の介護のため、外出困難・調査整理が全くできなくなってしまい、調査は中断しました。2017年9月よりデータの再整理から徐々に再開しておりましたが、2017年10月14日に「松戸市石造物遺産ふるさと史跡を探訪」という書籍が販売されていることを知り即購入致しました。拝読してみると、かなり私が理想としていた内容に近いものがありました。この本についての良い点を挙げると、「カラーである」「銘文記載が略していない」「配置図がある」「「概報」の地図では非常に確認しずらかった路傍の位置が、多少わかりやすくなった」「「概報」に掲載されていない箇所が良く調査されている」「石碑や鳥居も一部調査されている」「正面の像容・銘文をかなり意識されている」など、石造物調査の書籍としては稀にみるほど、素人目線からもわかるような記載がなされており、出来がかなり良いと感じました。

 また、残念な点を挙げると、「「概報」の写真を元に調査した際に思ったことだが、特に路傍の配置について、写真背景で位置を確認することもあったため、写真は石造物のみに切り取らずに、背景なども含めた掲載をすると良かったのではないか(年数が経過すると当時の周囲の状況も把握できる)」「銘文の文字が小さい」「人名が調査されていない」「台石や側面・背面の銘文の調査漏れがある」「判読できていない文字がある」「「概報」に記載されている場所、記載されていない場所の調査漏れがある(特に路傍、寺院、私有地)」「屋敷神や水準点も一部調査されているが、調査不足がある」「地図の位置がずれている」「誤字・調査ミスがある」など、かなり調査されているが、あともう一息というところが残念でならない。

 しかしながら、調査不足も多いが、2014年9月頃に松戸市役所や松戸市立博物館に問い合わせた際には調査しているところも、今後調査予定もないと聞いていたので、ここまでの資料が出来上がっていたことに喜ばしく思いました。ここまでの出来上がった石造物の書籍は他になく、この1冊で十分ではないかと思ったため、書籍化計画は取りやめ、この本の調査不足などを補うサイトを作成しようと思い立ちました。但し、介護生活中のため、徐々に公開していくことになりますが、お気づきの点などございましたらお問い合わせ下さい。「松戸市石造物遺産ふるさと史跡を探訪」を書籍化に至るまで尽力された方々に感謝いたします。

 2020年介護も終え、2021年6月に喪も明けたため調査の再開と行きたいところでしたが、新型コロナの外出自粛も続いているため、調査の再開は保留とし、サイトの再構築を始めることにしました。また、今後は松戸市内だけでなく、周辺地域の石造物についてのサイトも構築していく予定です。